森のひとりごと

2020年9月21日

2020.09.21

 先ほど、コンビニに行こうと軽四で農道を走っていたところ、道路上に大量の梨が転がっていて二人の人が慌てて拾っているところに出くわした。農道とは言え幅員の広い直線の道なので農家だけじゃなく一般の人の通過交通も多い道路だ。(ひょっとすると既に市道認定を受けているのかもしれない。)いずれにしても僕の対向車線には既に5、6台の車が通行できずに止まっていた。僕は車を左端に停めて、転がった梨を拾おうと走って行き手伝うことができた。周囲に迷惑を掛けてしまって急いで片付けなきゃといった風情で黙々と拾っている人は近所の人であった。少しでも、失敗したという気持ちで緊張している近所の人を和らげようと、「僕も若い頃に満杯の箱をひっくり返したことがありました…。」と言いつつ仕事を急いだ。気が付くと、若者男女3名が一緒になって作業をしてくれていた。車から道路にひっくり返ってしまった梨なのでほとんど全てが割れて果汁が浸みだしているので手がべた付いてしまうのに、嫌がらずに手伝ってくれる若者の姿にほっとさせられた。それ以外の車もクラクションを鳴らす人もいず、静かに作業が終わるのを黙って待ってくれていた。まだまだ助け合いの心が生きていることに触れて嬉しくなった。作業が終わって動き出すことができるようになってもお互いに譲り合っている様子もまた嬉しく感じた。ちなみに、僕が若い頃にひっくり返したときは道路上ではなく自宅の敷地内であったものの、両親が一年間丹精込めて栽培してきた成果品を台無しにしてしまったという後ろめたさで小さくなっていた僕に対して父が「まあ、大なり小なりそんなことをみんなやってるんだよ」と慰めてくれた。これもまた忘れられない記憶である。

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