森のひとりごと

2022年7月6日

2022.07.06

 先日、長い間会ったことも連絡を取り合ったこともなかった高校時代の同級生からハガキが届いた。彼は東京大学を出てから経産省に勤めていた元官僚であった。そうは言っても、僕が市長に就任した頃には既に退官していて仕事上で出会うことはなかった。退官後は民間企業で働いているという噂は聞いていたものの、企業名までは知らなかった。その彼から突然ハガキが届いたのである。懐かしい名前だなあと思いながら文面を読んでみて驚いてしまった。定年を迎える頃から会社法等の勉強を始め、64歳で司法試験に合格して、昨年から司法修習に就き、今年4月に修習を終了し、ついに弁護士として活動を開始したとのこと。高校時代の怜悧で明晰な彼の素晴らしい資質についてははっきりと思い出すことができる。さもありなんと思わされるものの、64歳で司法試験に合格するとはねえ。世の中には立派な人がいるものだなあと感心させられた。そう言えば最近、もう一人の驚くべきキャリアアップの話を聞いて言葉を失ったばかりであった。こちらの方は昔からお世話になってきた方のお孫さんの女性である。なんとこの30代の女性、一歳半のお子さんの子育てをしながら某大学の医学部に合格されたとのこと。キャリアウーマンとして働き、家庭を持ち、無事にお子さんを得て、子育てしながら受験勉強をし、見事合格する。聞けば文科系の大学を卒業されているそうだから凄いことだと思う。これから6年間の大学生活、医師免許試験、そして研修医生活を子育てをしながらこなしていくのだろうなあ。三角関数や複素数などで数学をあきらめて生きてきた僕には想像もできない才能の持ち主なのだろうなあ。こちらも本当に立派な生きざまである。この二人のマネのできない快挙と我が人生を比べてみると彼我の違いはあまりにも大きい。絶句させられてしまう。68歳から梨栽培を始め、毎日畑で苦労させられているどこかの高齢者とはえらい違いではないか。まあ、身の丈にあわせて生きていくこととしようか。

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