ポータブル翻訳機とスマートスピーカー

森 雅志 2018.07.05


 最近、ポータブル翻訳機にはまっている。ポータブル翻訳機である。縦が約10p、横が約6p、厚さが約1pという大きさで軽い。ポケットに入れたりカバンに入れたりして持ち歩くのにちょうど良いサイズである。そして、そんなサイズからは想像できないほどの大変優れた機能性を持っている。
 この翻訳機は電子辞書のように本体の中に大量の情報を内蔵しているのではなく、SIMを経由してインターネットに接続するか、Wi−Fi環境下で接続してネット上のビッグデータと繋がっているのである。例えばこの機器に向かって日本語で話すと、驚くほどのスピードで英語に翻訳された音声が流れるのだ。当然ながら英語で音声入力すると翻訳された日本語が流れるという仕組みである。いろいろ試してみたが翻訳の精度がたいへんに高く、充分に実用に耐えうると思う。少し長い文章でもかなりの精度で翻訳してくれるので日常の会話には充分対応可能。海外に出かける際は是非携行したいものだ。そのうえ63もの言語に対応しているのだから英語があまり通じない国や地域に出かけるときには大変に有用だと思う。連休にローマに行ったのだが、もうかなり落ちてしまった僕のイタリア語の会話力を充分に補完してくれて助かった。AI(人口知能)が使われているので、使えば使うほど精度が上がると思う。さらに言えば、機器のシステムが絶えずアップグレードしていくと思うので、東京オリンピックの頃には多くのタクシーがこの機器を備えることになると思う。医療の現場にも行政の窓口にも観光地にもという風に社会の色んな現場に高度化したポケットに入るサイズの翻訳機が普及するに違いない。補聴器サイズの翻訳機を耳につけて外国人と会話ができるようになるかも知れない。もう時代はそこまで来ているのだ。AIの時代なのである。
 同じようにAI時代を象徴するものにスマートスピーカーがある。対話型の音声操作に対応したAIアシスタントが利用可能なスピーカーでAIスピーカーとも呼ばれる。現在、多くの人がインターネットを介して検索や音楽鑑賞、ショッピングなどのサービスを利用しているが、そうしたサービスをパソコンやスマートフォンを介在させずに音声のみで操作する機器なのである。つまり画面をタッチしたりキーボードを叩いたりする必要がなく、スピーカーに話しかけることで目的を達成することができるという優れものなのである。おそらく今後は急速にこのスマートスピーカーが普及し、パソコンを使わない暮らしが普通になるのだろうと思う。
 さらに、このスマートスピーカーとスマホを連携させることで外出先から音声で自宅の家電操作をする時代が来る。いやもう来ているのかも知れない。AIの時代なのである。スマホを持っていない僕はどうやって生きて行けば良いのだろうか。情けないけれど時代遅れということなのだろうなあ。
 ところでポータブル翻訳機もスマートスピーカーも操作は機器に話しかけて行う必要がある。その際に訛りが強いとどうなるのかとか、のどを痛めてしわがれ声しか出ないときは大丈夫なのかとか色んなことが気になってくる。なによりも、お願い口調で喋ればいいのか命令口調で喋ればいいのか分からなくなってしまう。例えば命令口調どころかスマートスピーカーに怒鳴り散らす人だって出てくるかも知れない。気をつけないとAIに性格まで先読みされることになりかねない。ある意味、怖い時代になってきたのだ。僕は機械を相手に大人気ない態度を取りたくない。あくまで紳士的に機器と接していくこととしよう。ありがとうの言葉も忘れずに。


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