頑張って!

森 雅志 2001.06


 五月二十六日、今年もめひの野園の運動会が開催された。今年は例年以上に園生自身の手による運営が図られおり、一人一人の一生懸命さが伝わってくるような素晴らしい開会式であった。
その際の挨拶の中でも触れたが、僕はこの時にチョッとした感動を覚える光景を目にしたのである。
 予定通りに進行していく開会式の中で園生たちがそれぞれの役割をつとめていった。やがて開会宣言の段になり担当の園生が式台の上に立ち、話し始めようとしたその時に、グラントに整列する集団の最前列にいた一人の園生が式台の上に立つ仲間の園生をやさしく見つめながら、小さな声で「頑張って!」と口に出したのである。僕は一瞬「おやっ!」と思ったものの、仲間を案じ応援しようとするその心情に心打たれたのである。それはみんなで支えあおうとする無邪気なまでの素直な姿勢だと思った。そこには微塵も作ったものが無い。思いのままを口にした自然な風情があるだけだ。どうと言うことの無い一言なのだけれど僕の心に響いたのだった。
 僕らはしばしば「共生」という言葉を口にする。「みんなで支え合う」とも言ったりする。しかしそんな言葉も、どこかで自分の「位置」みたいなものを確保した上で発していることはないだろうか。
開会式の彼のように全く無防備に、無邪気なまでの素直な思いで口にするような姿勢を持たなくてはならないのではないのかと思う。反省しきりである。もっと無邪気に生きていきたいものだ。


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