歌うドライバー

森 雅志 2002.06.05


過日、北信越市長会総会が両津市で開催され、久しぶりに佐渡を訪ねた。相変わらずのどかな島である。
会議の合間に朱鷺(トキ)の保護センターに行ってみた。絶滅だといわれていた佐渡の朱鷺も中国から成鳥を借りて保護繁殖を続けているのである。意外なことに昨年は11羽、今年も既に7羽の朱鷺が誕生しているとのことである。
このペースで行くと数年後にはファミリーパークに貸し出してもらうことも可能ではないかなどと不謹慎なことを考えながら見学してきた。
バスガイドの説明も自慢げであり、佐渡にとって朱鷺が特別なものであることをうかがわせていた。
佐渡の自慢といえば、朱鷺に並ぶものとして「佐渡おけさ」がある。バスの中では当然のこととしてガイド嬢の名調子をたっぷりと聞くこととなる。時々男性の声で合いの手が入るので誰が合わせているのかといぶか訝しく思っていたら、何とドライバーの方だった。驚くことに次にはこのドライバーがハンドルを握りながら朗々と歌い出したのであった。両手でハンドルを握りながら歌い続けるのである。急カーブに差し掛かってもその名調子に乱れはない。観光バスのドライバーが運転をしながら民謡を歌うというサービスは、さすがに今まで経験したことがない。
車内にいた乗客が一様に驚いた顔を見せていると、「歌うドライバーがいるのは当社だけです!」とガイド嬢がまたまた自慢げに紹介してくれた。さすがに観光の島である。観光関係者の意気込みを感じさせる。
富山も負けてはいられない。どこかに「歌う売薬さん」や「踊る山岳ガイド」がいないかな?


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