笑えない落書き

森 雅志 2002.12


 過日の新聞に西町のアーケードの柱に落書きがされたとの記事があった。いやな話だ。以前には商店のシャッターに大書されていたこともあったし、小学校の正門に落書きした者もいた。これは全国的に広がっている問題であり、特に東京の状況はひどい。電車全体に落書きした者さえいるのである。当たり前のことだがどれもこれも立派な犯罪である。
 今回の落書きもあちこちで見かける例の「LAUGH」(笑うの意味)という文字である。はたして何が可笑しいのだろうか?あるいはこの言葉にどういうメッセージが込められているのだろうか。僕には全く分からない。
 おそらくアメリカで流行っていたものを誰かが東京などの都会で模倣し、それを見て富山でも馬鹿な閑人がまねをしているに違いない。何のメッセージもなくただ単に付和雷同的に面白がっているのだろう。小人閑居して不善を為すの類である。
 考えてみれば本当に暇な人間がいるものだ。街中で落書きをするには深夜から早朝にすることになるし、スプレー缶などの道具も用意しなければならない。それでいて犯罪にもなれば、損害賠償の責めを負うことにもなる。得るものと言えば、せいぜい落書き愛好者の中で出来の善し悪しを評価してもらえるだけだろう。そういう意味では全く間尺に合わない悪戯である。それでも落書きをするのだから、犯人はよっぽど幼稚な感性の持ち主か、軽薄な猿まね人間か、誰かを困らせることが快感になっている変質者に違いない。
 そんな猿まね変質者が欲求不満を充満させている時代なのかもしれない。しかしイライラのつのる時代だからこそお互いを大切にする生き方が必要なのだと思う。そのためにも美しく落ち着きのある町並みを創出しなければならないと思う。街の美化を考えることが大切なのだ。
 いずれにしても落書き犯を断じて許すことは出来ない。市民の総力を挙げて犯人を突き止め鉄槌を下さなければならない。決して笑ってすませるような問題ではないのだ。



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