マイ・バッグで暮らす

森 雅志 2007.08.05


 今、さかんにマイ・バッグ運動が叫ばれている。スーパーやコンビニなどで買い物をする際にレジ袋に商品を入れないで、買い物客自身が持参した買い物袋に収納することを奨励する運動である。
 このレジ袋はある意味、地域の個店で買い物をしていた時代から大型スーパーなどで買い物をする現在の形に変遷した、この数十年の消費スタイルの変化の象徴だと言える。買い物カゴというものはとっくにその姿を消してしまい、みんなが手ぶらで買い物ができるスタイルは確かに便利だといえるし、そもそも僕らはみんなそのことに慣れ切ってしまっているのだ。しかし、缶ジュース一本を買うにもレジ袋に入れて商品を持ち帰るのは確かに無駄であるし、大量に買い物をした場合であっても、帰宅して商品を取り出した後のレジ袋の運命はやがてゴミとして捨てられている。毎日全国の家庭で捨てられていることを思えばここらで見直してみようという声が生まれてくるのは至極当然のことであろう。
 ところで、このレジ袋の使用枚数を調べて見ると驚愕の数字に行き着くこととなる。全国のレジ袋の年間の使用枚数は約300億枚だとされている。1億2千万人の国民が毎日のように使えば総数がそれくらいになることは肯けるものの、あまりの多さに驚かされる。レジ袋の製造に必要なエネルギーを原油換算すると、一枚あたり20ミリリットル弱となるので、300億枚ではドラム缶280万本の原油を消費していることになる。地球温暖化防止が叫ばれている今、レジ袋の製造・焼却に伴う二酸化炭素の排出量を考えれば、マイ・バッグを使うことでレジ袋の使用を削減することは喫緊の課題だということが良くわかる。少しずつマイ・バッグの普及が進んでいるようだが、僕自身も含めて取り組みが遅れている市民も多いと思う。コンビニではレジ袋を貰わないように心がけたいものだ。
 韓国やアイルランドなどでは既にレジ袋の有料化によって大きな削減効果を挙げているし、杉並区でもそのような動きが始まっている。はたして富山でそこまでの取り組みが必要なのかは疑問が残るものの、全市民的なマイ・バッグ運動を展開する時期に来ているのではないかと思う。オシャレなマイ・バッグの提案の募集や、スーパー独自の買い物袋の提供なども始まっているようだ。この運動がやがて過剰包装の抑制にもつながれば良いのだが…。
 ところで、過日騒ぎとなったあるデザイナーブランドのエコ・バッグ販売はいかがなものかと思う。マイ・バッグ運動に共感して販売したとは言うものの、事前に限定販売を予告することで希少価値を強調する手法は、結局のところエコに名を借りた儲け主義じゃないのか。このバッグ欲しさに徹夜で並んだ女性達は純粋にレジ袋の削減を考えてのことだったのだろうか。レアもののバッグ欲しさだけなら、エコよりもエゴが似合うと思う。



目次