帰り来たよ ふるさと

森 雅志 2016.03.05


 今年の11月9日・10日の2日間、オーバード・ホールで全国老人クラブ大会が開催される。全国の老人クラブの役員など約1,800人が集まる大きな大会である。全国から参集された皆さんに好印象を持ってもらえる大会になればいいと思う。さて、この大会の概要を聞いて驚いたことがあった。毎年開催されるこの大会では、式典の最後に参加者全員で「青い山脈」を歌うことが恒例となっているとのこと。老人クラブの大会で斉唱するのがあの「青い山脈」なのである。素晴らしいことだと思う。この歌は多くの人が知っている青春賛歌である。老人クラブの大会の最後に青春賛歌!想像しただけで心躍る企画ではないか。大成功を期待したいと思う。
 また、今年の11月には、同じくオーバード・ホールで、あるミュージカルが上演される。中尾ミエさんプロデュースの「ザ・デイサービス・ショウ」という作品である。昨年この作品を見たのだが大変に面白かった。かいつまんで言えば次のような内容。高齢者がデイサービスに行くと、何故かそこでは唱歌や童謡ばかりを歌うことになっている。疑問を感じた主人公が自分たちはロックンロールの世代なのだから童謡はやめてロックをやろうぜ!とみんなを鼓舞し、ついにはデイサービスの施設で演奏会をするという内容である。老人だから当然に童謡を歌うという風潮に対して、それは違うと反発するのは、老人クラブの大会の最後に青春賛歌を歌うことに繋がると思う。幾つになっても若さを捨てないことが大切だということだ。
 さて、富山県民の中には地域の運動会などで「若い力」を歌った経験を持つ人が多いと思う。ところが、この曲は富山県と石川県では有名だが福井県ではあまり知られていない。石川国体のときに作られ、富山国体でもおおいに奨励されたことに起因するらしい。体育協会の行事では今でもこの歌を参加者で斉唱することがあるのだが、この曲が大好きな僕としてはこの習慣が続けばいいと思っている。この曲もまた若さを讃えようとする、世代を超えて心を繋いでくれる名曲だと思う。そんな歌の存在に感謝したい。
 みんなの心を一つにしてくれる大切な歌としては何と言っても「ふるさと」があげられると思う。『うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川…』というあの歌である。県人会などに参加すると、最後は「ふるさと」の斉唱で盛り上がる。歌詞の素晴らしさは論を待たない。特に3題目の『志をはたして いつの日にか帰らん 山は青き故郷 水は清き故郷』は日本人の心の原点だと思う。名曲である。折に触れてみんなで歌いたいものだ。
さて、ある時に「ふるさと」の4題目を創作して歌うという取り組みがあることを知った。それなら富山市版ができないものかと思い、富山市名誉市民の中尾哲雄氏にお願いして作詞してもらった。本稿の最後にその詩を披露したいと思う。
 帰り来たよ ふるさと
 富山の人 みなやさし
 立山神通 輝いて
 ここに生きん ふるさと
というもの。人生の円熟期は故郷で生きていくという日本人の一つの生き方が見事に表されていると思う。特に『ここに生きん』という歌詞には朽ちてはいないという意思が込められている。これからは、いつまでも若い心を失わないという思いを込めて「ふるさと」を4題まで歌っていきたいものだ。
「青い山脈」、「若い力」、そして「ふるさと」。若い世代には通じない話だったかな?



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