森のひとりごと

2024年11月6日

2024.11.06

 一昨日、梨畑で作業をしているとわが家の裏玄関のインターホンに大声で呼びかける人がいた。何事かと訝し気に近づいてみると「どうしてもあなたに会いたい人がいるので案内してきた。車を回すので待っていて欲しい。」と言う。しばらく待機しているとその人が現れた。何と!驚くことにニューヨーク在住の洋画家、土肥信一さんが訪ねてくれたのであった。土肥さんはニューヨークで画家活動をしつつ、1968年からずっと長くメトロポリタン美術館で古美術の保存や修復をするコンサバターとして活躍されてきた方であり、NY富山県人会の会長もつとめていらした郷土の誇りとも言うべき人である。僕は国連での会議の際などニューヨークを訪ねた機会に何度もお世話になってきた。メトロポリタン美術館の案内をしてもらうだけじゃなく、中にある寄付者だけが入れるレストランに案内していただいたこともある。富山に帰郷された際に市役所を訪ねてもらったことも何度かある。いずれにしても、予期せぬ形で数年ぶりにお会いする機会を得て感動しきりであった。何と91歳になられたという。かくしゃくとして元気いっぱいであった。今回は富山で個展をするために帰郷されたらしい。案内してきていただいた人の言では、「富山に来て3日目だけどどうしてもあなたに会いたいと言うので連れてきた。」とのこと。ニューヨークで土肥さんのお世話になった県人は多いと思うが、真っ先に会いに来ていただいたことは嬉しくてならず、感激しきりであった。ガラス美術館について大いに評価していただき絶賛された。ニューヨークのコーニング美術館の関係者のみならず、アメリカやヨーロッパのガラスアートの世界では富山のガラスの話がしばしば交わされているという。同美術館を訪れる外国人は今後もっともっと増えていくだろうと話された。有難いことである。土肥さんの個展に足を運ぶことを約束して別れの挨拶としたが、一日中嬉しさにつつまれていた。忘れられない一日となった。

話はまったく変わるけれど、今回の衆議院選挙に関して注目すべき情報に触れたので紹介しておきたい。栃木県では今回の選挙に際して全県で投票時間を午後7時までとしたそうである。午後8時が投票時間の締め切りということが常識化しているけれど、やればもっとフレシキブルにできるんじゃないかと驚いた。選挙事務に係る者たちの負担を少しでも軽減する取り組みは重要だと思う。8時を7時にしたところで有権者に多大な不利益が発生するとは思えない。投票時間や機会に極端な不均衡が生じないのであればもっと柔軟に対応しても良いのではなかろうかと思う。さらに言えば、開票作業も翌日にやっても良いのではないか。投票所の事務にあたる職員は朝の6時半には会場にいなくてはならず、そのうえ開票作業も割り当てられた場合、遅いと深夜の12時や午前1時まで作業がある。そして朝は定時の8時30分から通常の業務に当たる必要がある。にもかかわらず、投票締め切り時間の8時になるやいなや当確が出て万歳をしていることもある。それなら開票作業を翌日にしたところで大した影響はあるまい。仮に拮抗した争いだったとしても結果が出るのが翌日でもいいじゃないか。事務に当たる者たちの苦労を思えば社会がそれぐらい呑み込んでもいいのではないかと思うのだがどうだろうか。

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