森のひとりごと

2019年9月27日

2019.09.27

 わが父は齢96歳にして要介護認定を受けることもなく、ひとりで何でもこなし、今年も大きくて美味しい梨を沢山実らせた。収穫こそ僕ら子供たちが手伝ったけれど剪定、施肥、摘果、防除という作業は1人でこなしてきた。驚くべき若さと体力だと思ってきたが、ここ数日の出来事は今まで以上に驚かされた。はっきり言って化け物じゃないのかと思う。2週間ほど前から梨の老木を5本ほど除去して空いた空間に若木の枝を伸ばしたいと説明してくれていた。チェンソーを使い枝を払い、根の周りを掘り、残った幹を根っこごとトラクターで引っこ抜くという作業の工程を話してくれたので、老体が1人でやる作業ではなかろうと思い、友人に超小型のユンボの手配を頼み、自分の日程をにらみながら一緒に作業をしようと考えていた。手伝いに来てくれる人も頼んだのだと父に説明をしたうえで2泊3日の出張に出かけたのだが、帰ってみると父が1人で既に2本の梨の木をひっこ抜き終わっていた。すべてひとりでやったのだと笑いながら語った。無理をすると良くないので機械と友人の助けに頼ろうと何度も説得したのだが、父の答えは「少しづつゆっくりやれば楽しいのだからひとりで思うようにやらせてくれ。」というもの。楽しいと言われては反論できなくなってしまった。今日、仕事を終えて帰ってみると3本目が終わっていた。慌てて友人にユンボの依頼と手伝いのお願いのキャンセルを入れた。2人の友人が言った一言が「まるで化け物だね。」というものだった。いや、「超人的!」と言うべきか。驚くばかりである。僕も負けずに頑張らなくてはね。

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