森のひとりごと

2025年8月13日

2025.08.13

 早朝6時から墓参りに行ってきた。わが家の墓は町内にある寺山という墓所にあるのだが既に何組ものお参りの家族がいてにぎわっていた。僕は昨日花屋で買ってきた一対の花を供え、蝋燭と線香に火をつけて静かに手を合わせて目を閉じた。しばらく瞑目した後、帰ろうと歩き始めて知り合いと会った。「あんたは墓をきれいに掃除したねぇ。」と言われたので「ええ、まあ。」と生返事をしたが、本当は少し前にシルバー人材センターにしてもらったとは言わずにいた。なんと彼は帚にバケツ、雑巾と思しきものまでを手に持っていた。彼我の違いに頭が下がったが、シルバー人材センターの仕事を作るのも意味があるのだと小さな声で独り言ちていた。実は、今日8月13日は僕の誕生日なのである。そしてお盆なのだ。子供の頃は夕方になるとオショウライ(お招霊)をして楽しかった。火のついた稲の松明を振って先祖の迎え火としているのに、勝手に誕生日にひっかけて嬉しがっていた記憶がある。そんな子供もいよいよ73歳になった次第。だからと言って昨日と変わらない今日なのだけれども、元気に誕生日を迎えられたことを良しとしたい。親が亡くなってからは、自分の誕生日の朝に墓前に手を合わすことが意味のあることだと考えるようになった。畑作業がつらい時には両親はもっとつらい時にも頑張って作業をこなしてきたんだと思って乗り越えてきた。お盆明けからは一年の仕事の集大成とも言うべき収穫がはじまる。梨畑を残してくれた両親に感謝しながら収穫作業を始めたいと思う。墓前で手を合わせる誕生日の朝。親が亡くなった歳になるまではそんな誕生日を重ねていきたいものだ。(わが家の墓と墓前にある灯篭の写真を添えます)

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