森のひとりごと

2021年7月4日

2021.07.04

 木曜日(1日)の夜から金曜日(2日)の昼までに平野啓一郎の「本心」を読了、金曜日の午後から原田マハの「リボルバー」を読み始め、夜8時に読了した。土曜日(3日)の朝に平野啓一郎の「ある男」を読み始め、就寝前に読了した。読書に集中した3日間であった。久しぶりのことだ。その上に今日(4日)は、もう一冊だけ用意してある、柚月裕子の「月下のサクラ」を読む予定。何故にこんなに読書する機会を持てているのか。何故に日がな一日読書三昧で過ごせているのか。実は入院しているからである。
 木曜日の午後、大変暑い日であったが(翌日の新聞よれば最高気温が32°だった模様)、何とか時間を見つけて猛暑の盛りに全身フル装備で梨畑の防除作業を一時間ほど行った。汗で全身びしょぬれになりながらも防除機の清掃などの後始末を終えてお風呂に飛び込んだ。風呂上がりに冷えたお茶を飲みながら夕食の準備をし始めると少しずつ発熱してきた感じがした。計ってみると38.6°もあって驚いた。慌てて簡易キットでコロナ抗原検査をすると陰性であったものの、調理途中の台所をそのままにして市民病院に駆け込んだ。PCR検査の結果は陰性で胸をなでおろしたものの、CT検査で胆管に大きな石があることが分かり緊急入院となった。不注意な農作業によって熱中症となり、その検査中に結果として総胆管結石が発見されたということだ。金曜日に内視鏡により石を除却し点滴治療により平熱となり体力も回復してきた。順調に回復しているものの火曜日まで安静入院の予定。お騒がせした上に、多くの予定をキャンセルすることとなり、たくさんの人に迷惑を掛けてしまった。猛省するとともにお詫びします。
 この時期に毎年のように病院のお世話になっていて面目ない次第である。すべては僕の農作業姿勢に起因している。時間を見つけて一気にこなそうとするから無理が来るのだ。子供の頃に祖父から「慌てず、ゆっくりと」と諭されたことを思い出す。近所の人の作業ぶりを見てみるときちんと休憩を取っていることに気付かされる。新米農作業者にありがちな無茶や強引さを反省しなくては…。
 そのことと総胆管結石の発症とは関係が無いものの、熱中症の症状が出たことに伴うCT検査で直径11mmもの石の存在が認められたのだから怪我の功名とでも言うべきか。もう少し気付かずにいたら数年前のように激痛に襲われのたうち回っていたに違いない。言葉が適切じゃないけれど、ある意味ラッキーであった。3年前(?)に結石の治療のため胆のうを切除したのだが、その際に主治医から「胆のうは取ったものの、あなたの体質は胆汁から石ができやすいので、そのうちに胆管結石が発症するかもしれないから定期検査を怠らないように」と注意されていたことを思い出している。医師の慧眼に驚くとともに、検査の重要性を再確認させられた。
 いずれにしても入院中である。ゆっくりと読書ができる。夜9時ころになると睡魔が襲ってきて、早朝の明るさで目を覚ます。食事を終えて朝刊を読んだらまた読書を開始。病室にテレビもDVD装置もあるけれどほとんど使わない。ひたすらに読書三昧なのである。前にも書いたことがあるが、入院しているとまったくアルコールを欲しいとは思わない。つらいとも思わない。自宅に戻ったらこうはいかないのだろうなあ。この入院を機会に少しはセーブしなくちゃなるまい。頑張ろう。

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