森のひとりごと

2021年7月25日

2021.07.25

 オリンピックの開会式をテレビで見てはいなかったのだが、(遅い時間まで起きていられないからである。)いろんな番組で放送されているのをみて驚いたり、心を動かされたりしている。その中のワンシーンに、長嶋さんと王さんと松井君(彼は随分年下なので良かろう。)が三人で聖火リレーする様子の映像があった。長嶋さんの身体のことを思って見世物にするなよなって言いそうになっていたのだが、マスクをつけながらも嬉しそうな表情を浮かべている様子を見て、知らずに涙が出てきた。娘に「お父!何で?」といぶかしげに聞かれたが、引退試合のタブルヘッダーを号泣しながらテレビで見ていた僕のことなど知る由もない平成生まれの娘には分からないだろうなあ。


 久しぶりに馴染みのお蕎麦屋さんに行った。隣の席についた親子連れの様子を見るとはなしに見ていて驚いた。小学、中学、高校と思しき3兄弟とまだ若い?父親である。ラーメン屋ならともかく、こんな世代の親子連れで本格蕎麦屋に来るとはねぇ?と思っていると、父親が注文をする声に驚いてしまったのだ。なんと「蕎麦前は何ですか?」と言ったのだ。おいおい、だれが運転して帰るんだい!といぶかしんでいると、注文を取っていたお嬢さんが「はあ?」と言いながら合点ごちて、「ニシンです」と答えた。父親は「それじゃ、蕎麦前1つと卵焼きを2人前、そして○○蕎麦を四つ!」と注文した。そして子供たちに向かって「蕎麦前とはな、蕎麦が出てくる前に食べるものなんだよ。」と教えていた。違うだろ!!蕎麦が出来るの待ちながら酒と当てを楽しむことじゃないのか!!と強く思ったが、年寄りの僕はもちろん黙っていた。何食わぬ顔で蕎麦を食っていた。君らには分かってもらわなくてもいいよ!と思いつつ。


 帰宅する前にいわゆるメンズ・ショップ?に寄って、前から欲しいと思っていた細身のパンツを買った。僕は若い頃は典型的なVAN派のファッションだったので、時には足より細いパンツを穿いていたものだ。最近、細身のパンツを穿いている人が多いのを見ていて、いつかは買ってみたいと思っていたのだが、いよいよ今日の日となった。店員の人が「サイズは32くらいですかね?」と聞いてきたが、そんなことを知る由もなく、小さな声で「分かりません…」と答えていた。インチのことだろうとは思ったけれど知らないのだからしようがない。分かるはずがないのである。若い頃から独りでジーンズを買った経験は一度もないのだから。心中では「32かどうかは知らないが、もうすぐ69じゃ。身体は五尺六寸、18貫じゃ。」と勝手に叫んでいた。もっとも、自分に向かって「この世間知らずが!!!」と言うべきか。もっと分かろうとしなくちゃね。

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