森のひとりごと

2022年4月27日

2022.04.27

 先日、つけ麺を食べた。24歳の時に東京から富山に移り住んで以来45年になるが、一度もつけ麺を食べたことがなかった。もちろん麺類は好きなので、蕎麦もうどんもそしてラーメンもよく食べる。ただつけ麺の範疇(?)に入る麵を食べてなかったのだ。 おそらく、つけ麺というメニューのある店に行く機会がなかったからだろう。今回、無性に食べたくなりネットで専門店を探して食べてきたという次第。イメージしていたつけ麺とはかなり異なっていて面食らいはしたのだけれども…。学生時代に中野駅南口の近くに住んでいたことがある。その頃、丸井デパートの隣にあった「大勝軒」というつけ麺屋によく通っていた。そもそもつけ麺というものを食べたのがその店が初めてであった。いつも流行っていて、満席のことも多かったと記憶している。この店のつけ麺は不思議にも酷い二日酔いの時にも美味しく食べれたと思う。70歳を前にして若き日をしばしば思い出すという、老境のなせる衝動の一環であろうか、無性に「大勝軒」の味が恋しくなり挑戦してみたのだが…。そう言えば、高校時代に富山駅前にあった「東京亭」という蕎麦屋の天ぷらそばの味が恋しくて同じ店名の店を何店か巡ったこともあったっけ。結局思い出の味には出会えなかったのだけれども…。ひょっとすると懐かしい味というものは記憶の中で肥大化、あるいは美化されてしまっているのかも知れないなあ。青春時代をなぞってみることなどできないということだ。若き日の恋心がよみがえることなどないということだ。せめて老いらくの恋心を探してみますかな。つけ麺の味が思い出の味とは違っていたからと言って、なんでそこまで筆を運ぶかね。

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