森のひとりごと

2019年7月11日

2019.07.11

 僕は50歳で登山を始めて以来夏に色々な山に挑戦してきた。もう今では加齢による体力の衰えで叶わぬこととなってしまったけれど、一日に13時間歩くという無謀なこともやってきた。そして2006年の8月13日に水晶岳の頂上でハッピーバースデーの歌を同行者と歌って以来、なるべく誕生日である8月13日は何処かの山に登るということを目標にしてきた。山小屋のスタッフが必ずしも十分とは言えない食材を上手く使ってバースデー・ケーキを作ってくれたこともあった。有難いことであった。
 しかしながら昨年は腸閉塞の手術の術後だったので山行をすることができず、自宅で静かに誕生日を迎えていた。今年に入り、年齢を考えるとこれが最後のチャンスだと思い誕生日を富士山で迎えることを思いついた。富士吉田市の旅館を予約し、7合目の山小屋の予約もし、新しいレイン・ウエアも購入し意欲満々で夏を待っていたのだが、6月に富士山の8号目と9号目の間で登山道が崩れてしまうということが起きた。7月に入っても復旧のめどが立たないとされていたことからキャンセル料が発生する前に決断しなきゃと思って過日全ての予約を取り消していた。そして、きっと僕は富士山に縁がないのだなと受け止めていた。ところが昨日になってある人が登山道が復旧したというネット情報を知らせてくれた。何ということだ。キャンセルした直後に復旧するなんて。本当に縁がないのだと思い知らされた。情けないなあ。でもまあ、歳を考えて無茶をするなという誰かの啓示だったのかも知れないなあ。御身大切にというところか。

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