森のひとりごと

2024年5月5日

2024.05.05

こどもの日である。何ということはないのだけれど、最近は大空をゆっくりと泳ぐ鯉のぼりをあまり見ないような気がする。一方では、使い込んだと思われる鯉のぼり群を目刺し状にロープに通したおかしな光景を目にすることが多い。誰かがどこかで始めたリサイクル鯉のぼりの目刺し川渡りの二番煎じ、三番煎じなのだろう。どうでもいいことではあるが…。それでもやっぱり、高い柱の先に鯉のぼりの親子が吹き流しと一緒に大空を泳ぐ正調鯉のぼりを見たいと思う。(どこかにあったとしても今日で終わりではあるけれど。)
 僕は姉が一人に弟が一人の三人兄弟である。時代がなせることではあるが、子供の頃の我が家には鯉のぼりもひな人形もなかった。そのうえ僕には娘が二人いるものの、男の子はいない。つまりずっと鯉のぼりに縁のないまま歳を重ねてきたのである。そんな背景もあって風を全身に受けて泳ぐ雄大な鯉のぼりの姿に密かに憧れがあるのである。
 鯉のぼりの代わりにはならないけれど、去年の暮れに植えた梨の苗が元気に育っている姿に心が和む。甘太という品種の苗なのだが、無事に越冬してくれ春先の霜の害にもあわず、緑の若葉を気持ちよさそうに伸ばしてくれている。子供か孫を(孫を持ったことはないのだけれど…)見守るような気持ちで健気な若葉を見ている毎日である。今更遅いけれど、この苗の隣に小さな紙製の鯉のぼりを立てておけば良かったと後悔している。元気に育て、甘太!!

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