2025年1月27日

1月25日、26日の2日間で北海道余市町に行ってきた。小樽の西側にある町である。北海道新幹線が札幌まで延伸した際に並行在来線になる函館線の小樽~余市間の線区をどうするのかという勉強会に招かれたからである。
先ずは富山発の一便で羽田に行き、羽田~新千歳と乗り継ぎ、新千歳から余市まではJR線を使うという旅程であった。この移動のさ中で嬉しい体験をすることができたのでそれを披露したいと思う。
富山~羽田間のフライトはほぼ満席状態。子供連れの人も多く離陸前からにぎやかな機内であった。そのうちにむずがる子供の声が耳に入って来たので、小さな声でCAのお嬢さんに声をかけて次のような提案をした。「もしも大きな声で泣き出したりしてママが困ってしまうような事態になったらこれを渡してみたらどう?」と言ってライオンやキリンなどの動物の小さなシールが沢山張りつめてあるペーパーを差し出したのである。(冒頭の写真はドラえもんシリーズのシールだが、これの動物版である。)彼女は一瞬驚いたもののすぐに狙いを理解し、「すごいアイデアですね。」と言って大事そうに受け取ってくれた。直後にシートベルトの装着ランプがつき彼女たちも着席を余儀なくされ、やがてむずがって騒いでいた子供も静かになったのでママにこのシールが渡ることはなかったようだが、降りる際に何人かのCAからお礼の言葉を貰い嬉しかったという次第。
新千歳からのJR線は外国人旅行者などで大変な混みようだった。札幌駅で降りる人が沢山いた一方、乗り込んでくる観光客も多く小樽までは満員状態であった。ここで僕の後ろの席に子供連れの韓国人の夫婦が座った。やがて子供がむずがりママがお菓子をやったりしてあやしていた。機内で喜ばれて調子に乗っていた僕はここでお節介を承知で韓国語で話しかけていた。そして例のシールをカバンから取り出し渡してあげた。3才だという男の子は小さな声で「カムサハムニダ!」と言ってくれ、ママと二人で動物の名前を言いながらベビーカーに貼っていた。本当にお節介であったが良かったことにしておこう。
以前はこういう機会のためにカバンの中に白い棒のついた薄い飴を忍ばせていた。一度だけドラッグストアーのレジで困っていたママに渡して喜ばれたことがあったが、ほとんど使うことのないまま飴を溶かしたりしていた。さらには賞味期限のこともあり、また口にするものはかえって迷惑がられることもあると思い飴を忍ばせることをやめてしまった。ある時今回使ったようなシールなら問題が無かろうと思い立ち、ブックストアーで探し求めカバンに忍ばせていたのである。今回の旅で動物のシールを2枚使ってしまい、今はドラえもんのシールが2枚残っている。今度どこかで気付いたら補充しておきたいと思っている。本当に、本当にお節介なハラボジ(韓国語でお爺さんの意)ではあるけれど…。
帰りの新千歳~富山便の機内で読んでいた小説に心を動かされ涙を禁じえず、こっそりハンカチで目頭を拭いていたらCAのお嬢さんがさりげなくポケットティッシュを手渡してくれた。気の利いた心遣いにハラボジの涙はなかなか止まらなかったとさ。