森のひとりごと

2023年12月23日

2023.12.23

 市長を退任した2021年4月に柚子を2本、枇杷を1本、スダチを1本、そして2種類のミカン各1本、合計6本の苗を植えたことは当時このブログに書いた。そして健気にも2回の冬を菰に巻き付けられながら過ごしたことも書いた。今年はスダチが初めて実をいくつもつけたこと、収穫して食卓に乗せたことも書いたような気がする。その延長線上で今回紹介するのは2本のミカンがそれぞれ初めて実をつけたという知らせである。1本は実を3個だけつけていてまだ収穫には早い色をしているものの、もう1本の方は10個以上の大きな実が色づいている。それが冒頭の写真である。ツレアイがまだ早いと諫めるにもかかわらず、大きめの実3個を収穫した。食べてみるとデコポンのような味で、まだ酸味が強いものの美味しくいただいた。今日まで植物の生命力の強さに何度も驚かされてきたが、一度は蝶の幼虫だと思われる芋虫にほとんど全ての葉を食べられるという苦難や夏の暑さに精気を失いそうになるという危機をも乗り越えて6本の苗は立派に育ってくれているのだ。そしてついにわが家の畑の一角でミカンを収穫し、口にするという日が来たのである。このうえは柚子が実をつける日までしっかりと見届けていきたいと思う。おそらくまだ10年以上要するに違いないが気長に見守っていきたいものだ。苗木たちを見ているとゆっくりと、でもしっかりと生きよと教えられているような気がする。まだ早いと注意されながらもいつものせっかち癖で収穫したことの罰なのだろうか、昨日の雪に埋まってしまった。越冬対策をしようと思いつつ間に合わなかった次第。この雪が解けたなら菰や藁を取り出して暖かくしてやらなくては。物言わぬ苗木たちの健気さに心が和む。もうすぐ歳が過ぎようとしている。お陰様で今年も良い歳であった。有難いことだ。

収穫したミカン(品種名は忘れてしまった)
雪に埋もれたミカン

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