森のひとりごと

2023年12月17日

2023.12.17

 昨夜、友人の訃報が入ってきた。小・中・高と同じ学校に通った古い友人である。大学は違ったが学生時代も深い付き合いがあった。社会に出てからは数年に一度出会う程度の付き合いではあったが、不思議なくらいに空港で偶然に一緒になる機会もあった。その彼が体調を悪くして入退院を繰り返しているとの情報に触れて、共通の友人のS君と会った際に二人で電話をかけ三人で話したのが最後の思い出となったが、わずか一か月ほど前のことであった…。寂しさに襲われている。悼む言葉も見つからない。思えば一年に一人くらいの頻度で友人・知人の訃報に接する。そういう歳になったのだと言ってしまえばそれまでだが、人の命のはかなさを思い知らされることが多い。朝から茨木のり子さんのさくらの詩の一節を思い出してばかりだ。「さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば 一瞬 名僧のごとくわかるのです 死こそ常態 生はいとしき蜃気楼と」 合掌。

 今朝、S君にこの訃報を伝えてしばらく話した。そのやりとり中で驚くような偶然を知ることとなり唸ってしまった。
 僕は平成7年の元旦以来、30年近く賀状を出さないで生きてきた。多くの人から賀状をいただきながら公選法を厳守するとして、また、なまけ癖もあいまって不義理を続けてきた。その僕が突然思い至って来る新年から賀状を出すことにした。世の中のトレンドが賀状の廃止に向かっていることを知りつつも、これからは一年に一度は現状の報告をしていこうと決めたのだ。そして昨日郵便局に持ち込んだばかりなのである。そのことをS君に伝えると、何と彼も30年ぶりに賀状を出すことにしたのだと語ってくれたのだ。来年は辰年であり僕らは歳男というタイミングもあるのかも知れないが、おそらくそういうことを考える齢になってきたことが大きな背景であろう。偶然に同じことを思い、行動したことに笑いあってしまった。友人を悼む話をしながらの不謹慎なことではあったが、お互いに元旦を楽しみにしていようと語りながら手を振って別れた。もう一度合掌!と書いて話を閉じることとしよう。

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