森のひとりごと

2025年4月15日

2025.04.15

一昨年の秋に植えた梨の苗木が初めて花を咲かせた。「甘太」という名前の新品種である。僕にしてみると初めての経験だったが、5年生の苗木をネットで買い求め畑の隅に植えたものである。越冬のために緩衝材などで覆ってやったり、春には霜対策のために専用ビニール袋で包んだりしてきた。そのカンタ君が初めて花を咲かせたのである。健気な成長ぶりが嬉しくて声をかけてやった。ウグイスやキジと違って鳴いて返事をしてくれる訳じゃないけれど…。しかしながら、せっかく成した白い花の全てを除去しなければならない。花が授粉すると実を成してしまうからである。今はまだ小さい樹体なので、先ずは樹体の成長に養分を向ける時期なのである。実に向けられる養分をカットするために最初から実をつけないという育て方なのだ。健気に花をつけたカンタ君にはある意味可哀そうではあるけれど、大きく育てるために白い花をちぎることとしよう。いくら涙もろくなったとは言え、さすがにこの作業で目頭が熱くなることはあるまい…。ゴメンねカンタ。

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