森のひとりごと

2025年10月22日

2025.10.22

 昨日、ある企業の取締役・執行役員研修の一環で講義依頼を受け、京都まで行ってきた。こういう講義や講演の依頼は時々受けるので県外に出張することは珍しくない。また楽しんでもいる。ところが昨日の講義は異色のものであった。自分でもよくやったものだと思っているし、今はいささかの疲れも感じている。何が異色であったのか。何と講義開始時間が13:00で終了時間が16:30というものだったのである。210分間という長丁場であった。途中で10分間の休憩をはさみ、終盤の30分間は質疑応答にあてたとはいえ残りの約3時間弱を話し続けたのだから大変であった。大学の講義などはたいてい90分間である。ほとんどの講演依頼もまあ,60分から90分間であり、その時間配分なら行き当たりばったりでも何とかなるし、こなしてもきた。数人が登壇するパネルディスカッションでも3時間ぐらいのものだろう。それが1人で210分間講義するとはねえ。もちろん過去に経験がないことだ。最初のうちはじっくりと話ができると楽しんでいたが、同じエピソードを何度も口にするのは嫌だし、講義全体の起承転結も大切にしたい、途中、途中での論点整理も欠かせない。受講者が退屈したり眠そうにならないように面白エピソードも交えながら、最終的には研修の実を作らなくてはならない。ずっと立って話していたので最後はいささかふらついてしたかもしれない。少なくとも口の中はカラカラ状態であった。質疑応答では活発な発言が出ていたのでそれなりに受け止めてもらえたのだろうと独りで満足感につつまれていた。京都駅に着くやいなや生ビールで疲れた口をいやしたのは当然のことであった。帰りのサンダーバード、新幹線の車内ではチビチビ飲みながら行きに半分読んできた小説を読み切った。夏川草介さんの「エピクロスの処方箋」という作品。面白かった。お薦めである。出張の往復の車内でハードカバーの小説を読み切ることが僕の車内での過ごし方。講義疲れの僕なりの癒し方である。とにもかくにも充実した一日であった。

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