森のひとりごと

2025年7月7日

2025.07.07

 新聞報道で知ったのだが、県議会の本会議場での質問に際し、自らの支援者や主張を同じくする人を多数傍聴席に呼びそれを後ろ盾にするかのようにして再質問ゃ再々質問をした議員がいたとのこと。いつの時代にも「ワラビシイ」議員がいるものだなあと思って笑ってしまった。議場は当局側と議会側との間の議論の場である。その公開性を確保するために傍聴の場が設けられている。だから議場で質問や討論をする者は、もちろん答弁する者も傍聴者の存在を意識して発言してはいけないと僕は思う。議場での質問と演説会場や街頭での演説とは異質なものなのである。僕は議員であった時も市長の時代でもそんな考えで議場に臨んでいた。傍聴席に向かって自説を主張するように質問をしている議員を何人も見てきたが、議場は舞台でもエンターテインメントの場でもないことを考えて欲しいと思う。参考にしてもらいたいとの思いから昔ブログに書いた文を披露してみたい。いろいろな考え方があって良いのだが、僕の考え方は今も変わらない。本会議場の中で傍聴席に向かって手を振るとか愛想笑いをするなどということはあってはならないと思うのだが。

(2009年12月11日付のブログ文の一部) 

僕は傍聴席に知った人がいても挨拶をしたり合図を送ったりしないこととしている。議場の中は当局側と議会側との重要な議論の場である。その議論を公開された場所で行うために傍聴がなされているのだ。したがって空間としての議場と傍聴席との間には超えてはいけない、見えない壁がなきゃいけないと思うからである。いたずらに傍聴席に向かってアピールしたり、大向こう受けを狙うかのように傍聴者に顔を向けて演説したりしては駄目だと思うのだ。議論をするのは当局と議会なのである。当事者はその二者なのである。もとより傍聴席から議場に話しかけたりシュプレヒコールを叫ぶなどということは絶対にあってはならない。
 そんな考えで僕は傍聴席との間に距離を置いているのだ。ときどき知人や親戚、近所の人などが傍聴していることを知ってはいるのだが、いつも僕が愛想の悪い態度を取り、冷たくしているように見えるのはそういう理由によるものなのである。
 まあ、開会が議長から宣されるまではもっと柔軟でも良いのかも知れないけれどね…。難しいところである。

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