森のひとりごと

2022年5月28日

2022.05.28

 少し前のこと。珍しいことだが東京で16:00から始まる会議に出席した。普通は午前中に富山を出る新幹線に乗るのだが、この日はお昼過ぎに出るチケットを取った。お蔭で昼食を富山駅周辺ですますこととなり、何と約50年ぶりに富山駅の「立山そば」に足を運んだ。昔は富山駅のホームの上に店があったことを思い出したものの、わざわざ車で食べに行った記憶もあり、少しばかり頭が混乱していた。入場券を買ってまでして食べに行っていたのだろうか?不思議である。富山駅が新しくなってから何度もお店の前を通ったが入る機会がなかったのだ。一番早いかがやきで上京するときに朝食にしようとお店まで行ったこともあったのだが開店が7時からであることを知って落胆した。そんなこんなを経て、しかしいよいよ憧れの「立山そば」に身を置くことができたのだ。交通系ICカードで決済して食券を手にし、お店の人に「ついに憧れの立山そばにこれました。」と言いながら注文したのだった。記憶の中にある味だったような気もするが、そうではないような気もする曖昧な食後感ではあったものの、一人で悦に入っていた。それにしても、「立山そば」が「源」の系列だったとは知らなかった。学生時代の記憶を辿りながら時どき利用させてもらうことにしよう。

 話はまったく変わるのだけれども、過日、新幹線から降りる時に斜め前の席にいた女性がキャスター付きのケースを大事そうに引いて立ち上がった。驚くことにそのケースの中を覗くと小さな犬が静かに座っていた。しっかりと躾けられた犬というものはこんなにもお利巧なのかと驚かされてしまった。そのことに気付くまでその犬は一度も声を出さず、いやその存在を気付かせない程に静かにしていたのだから。いやあ、立派、立派!!! とにかくその移動中、後ろの席にいた小さな子供が足で僕の席を蹴ったり、ぐずついたり、泣き出したりして閉口していたのだった。20年前の僕なら親に注意していたかもしれないけれど、年老いた僕は気が長くなり、まあしようがないかと我慢していたのだが…。しかし、このお利巧な犬と、まったく子供を注意しない親と行儀の悪い子供の親子の、その違いに神経が刺激されてしまい、もう少しで馬鹿親子に皮肉の一つも言ってやろうかと考えていた。「すごいですねぇ、犬も躾けるとあんなお利巧にして電車に乗るのですねえ…。」とでも言ってやろうかと。まあ、それも大人げないか?

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