森のひとりごと

2020年5月29日

2020.05.29

 相変わらず左手の神経痛に悩まされている。とてもキーボードを叩く気になれず、ブログの書き込みをさぼり続けている。「週刊ブログ」ではなく「月刊ブログ」になってしまいそう。情けない次第である。
 そんな状況ではあるけれど、どうしても書き込みたい出来事が起きたので頑張って書き始めることとした。
 今、目の前に「アサヒグラフ」の昭和45年6月19日発行のものがある。バックナンバーを探して取り寄せたのだが、昨日手元に届いたのだ。何に関心があったのか。この号は「特集・日本のジャズ」とされたもので、表紙には富山市内の喫茶店で演奏する、あの菊地雅章(キクチマサブミ)の写真が使われている。実はこの特集記事中に使われている1枚の写真の片隅に若き日の僕が写っているのである。若き日のと書いたが、この時僕は高校三年生であった。当時から既にこのアサヒグラフの特集記事の存在は知っていたが、先日突然このことを思い出し、何とかもう一度見てみたいと思い至り、バックナンバーを探してもらったという次第。高校生の頃の僕はジャズ喫茶に入り浸っている典型的な不良であった。当時人気の高かったあの菊地の演奏を生で鑑賞できたのだから、きっと舞い上がっていたに違いない。まさかアサヒグラフの特集記事の中の写真に自分が写り込むなどとは全く想定していない僕は、まったくの無防備な姿でいかにも常連客然としてカウンターに腰かけて水割りのようなものを手にしていたのであった。当時、仲の良かった同級生が夏休みに入ったころにこの雑誌を持ってきてくれ、「この写真が高校の知るところとなれば、間違いなく退学になるであろう。」と予言してくれた。結果として無事に卒業できているのだから誰も気づかなかったということだろうなあ。モダンジャズをダンモと言っていた時代の懐かしい記憶である。生意気盛りのやんちゃ坊主の苦い記憶だとも言える。忘れがたい思い出である。両親と娘たちには見せられない写真ではあるけれど…。

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