2023年8月3日
久しぶりに薬師岳に行ってきた。いや、途中の太郎平小屋でダンボコをついてしまい(何のこっちゃ!足が止まってしまったの意)、頂上を目指すことを放棄して生ビールを飲みながらゆっくりと午後を過ごし、一泊して翌日に下山してきたという次第。コロナ禍の間はまったく登山をしなかったので3年振りの山行だったのだが、登山口である折立から太郎平小屋まで5時間を要してしまった。いやはや…。それでも久しぶりに小屋主である五十嶋さんと話すことができて良かったと思う。その流れで一人の白人男性を紹介してもらった。それが写真の男性である。日本人の奥さんとゆっくりと時間をかけて北アルプスの最奥部を巡ってきたらしい。自己紹介しあったところ名前はボーマンさんと言い、年齢は僕の1歳上で、流ちょうな日本語の話者であった。驚いたことにチェロ奏者であり、山小屋でチェロの演奏をしたこともあると語ってくれた。僕も山小屋でソプラノサックスを演奏したことがあると見栄を張っていた。その後はチェロ奏者のパプロ・カザルスの話で盛り上がっていた。ケネディ大統領の時代のホワイトハウスでのカザルスの演奏のCDを持っていると言うと、その中に入っている「鳥の歌」について解説してくれ、意気投合することとなった。おかげで良い時間を持つことができた。帰宅して調べてみると、スウェーデン出身のベアンテ・ボーマンさんであり、1980年から2011年まで東京交響楽団の首席チェロ奏者を勤めていた本物の音楽家であった。また、全日本山岳写真協会のメンバーで山岳写真撮影のための山行を続けているらしい。福音派の宣教師でもある。ダンボコ男とはえらい違いであるが、どこかでまた会えたらいいと思う。人の出会いとは案外こんな縁なのかなとも思う。下山して3日目なのに足腰が痛いのはやはり加齢のせいなのかな。それでも頑張って梨畑で汗をかいた。ビールを飲みながら本稿を書いている。今日も良き日かな。