森のひとりごと

2022年8月13日

2022.08.13

 事情があって、本日までの10日間の自宅待機。いや謹慎を余儀なくされた。すっきりと自宅隔離と言ってしまえば分かり易いのだろう。そうなのだ。どこにも外出せず、基本的には誰とも会わず、コンビニにもドラッグストアーにもスーパーマーケットにもいかず、蟄居していたのである。幸いわが家は同じ敷地に二棟が建っており、一昨年まで父と母が住んでいた建物が僕の素籠もり空間となった。お蔭で家族とはトイレも風呂もキッチンも完全に分離使用することができた。そのことは良かったのだが、飲み物も食べ物も非接触で受け取り、食後に自分で洗った食器も非接触で返却するという徹底ぶりであった。洗濯物も自分の分だけ専用洗濯機で洗い、専用干場で風を受けるという爽やかさなのであった。その間に面談希望の申し出でやアポイントの依頼などがあった。すべての方に事情を伝えたのだが、結果的には驚かせてしまった。もちろん日中は独りで梨畑で作業をしたし、早朝に消毒防除作業もしたのだが、誰とも話さないようにして、まさに黙々と働いていたのであった。
 ああ、そして、その貴重な経験ともなった隔離期間が今日をもって開けるのである。つまり明日が、お役御免、ご赦免、解き放しの日となるのである。そして何という事だ。ご赦免の日の前日が我が誕生日なのである。それも満70歳の誕生日なのだ。毎年の誕生日にはこのブログ上でそれなりの心の揺れみたいなものを書いてきたような気がするが、よりによって70歳という人生の上での大きな節目の日が、何という事だ、隔離の満了日なのである。人生の大きな節目の日に誰とも会えず、会食もできず、ハグもできないなんて…。
 70歳と言えば古希じゃないか。今の時代じゃ、けっして希なというほどの長寿じゃないけれど、普通の人じゃしないような、ふざけた、希なフォトを披露して古希の日の記念にしてみることとしますかな。冒頭の写真の人形のようなものは空気の力で動くデコレーションバルーンである。はたしてこれの動きで畑に侵入してくるカラスを退散させることができるのだろうか。数日間は驚いてくれるだろうとの期待を込めて僕も一緒に踊ってみた、10日間の謹慎を振り払うかのように明るく動いてみたものの、齢は隠すことができない、こんなことをして遊んでいる70歳は文字通り、古来希な年寄りではあるだろう。まあそれでも、明日からは自由な日々ですので、これからもよろしくお付き合いください。先ずは忙しく、梨の収穫出荷に精を出します。一年間の農作業の集大成なのだから。そしてまた、来年に向けての作業が続いていくのだ。

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