森のひとりごと

2022年11月27日

2022.11.27

 先週の金曜日、土曜日と2日続けて東京日帰り出張であった。先月もそんな日程があったが、まるで東京まで通勤しているかのような日程である。自分でも異常な出張だと思っている。さすがに疲れを隠せない。もう70歳の年寄りなのだから、少し抑えなきゃなあ。
 などと言いながら、土曜日の講演を終えた後思い付いて、学生時代に暮らしていた中野駅の周辺に行ってきた。そしてその頃によく通っていたつけ麺の名店「大勝軒」の暖簾をくぐってみた。ほぼ50年ぶりの「大勝軒」である。昔店があった場所とは少し違って、南方向に移動していたものの風情は昔をしのばせる店構えであった。一口食べてみると、50年の時間を一瞬に遡り20歳の頃の青臭い自分に戻ったかのような気分にさせられた。正確な記憶だとは言えないとは思うものの、ああこんな味だったな、これだ、これだ、この味だよね、などと独り言ちていた。店を出てから最後に住んでいた家を訪ねようとしたけれどたどり着くことができなかった。とぼとぼと帰り道を歩きながら、口にできない程に滅茶苦茶だったあの頃の日々を思い出していた。ひいき目に言えば、あの日々も青春の1ページと言えるのだろうか??? もう半世紀も過ぎてしまった日々である。あれ以来、生き恥を抱えながら生きてきたという次第。青春の味の記憶を探りに行ったはずなのに、若き日の醜態を思い出すこととなってしまった。すべては自分の生きざまだ。抱えて生きるしかないのだな。青春の蹉跌というやつか。

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